クリスマスに父である神からいただいた素晴らしいギフトはイエス様です。復活祭でイエス・キリストからいただいた素敵なギフトは平和です。イエスが弟子たちの前に現れて、一番に話したことは「あなた方に平和があるように」でした。平和は人生の目的に沿っています。前のパパ様ヨハネ・パウロ二世はこう言いました。「平和は、まず、それが社会に広がる前に、個人がそうであるべきです。」キリストの平和が与えるのは健康です。それは癒しの力です。ペトロはキリストの平和の力で多くの人々の病気を癒しました。「エルサレム付近の町からも、群集が病人や汚れた霊に悩まされている人々を連れて集まってきたが、一人残らず癒してもらった」（１：１７）と第一朗読に書いてあります。


　キリストの平和は、私たちの肉体的な苦痛からの解放以上のものです。復活されたイエスの力はすべての人を癒します。人間のあらゆる部分、つまり、精神、感情、身体、互いの調和に及びます。私たちの内面の医者である聖霊が体全体を癒します。人生の中で起こる突風のような出来事やいろいろな悩み、寂しさを感じるとき、また失敗し落胆も恐れないように、とイエスは言っています。「恐れるな。私は最初のものにして最後のもの、また生きているものである」、と。


　ある人がいつも大きな袋を持って歩いていました。天使が現れて聞きました。「その袋には何が入っているのですか。」彼は「私の悩みです」と答えました。不思議に思った天使は「ちょっと見せてもらえますか」と言って開けてみると、袋の中は空っぽでした。彼には二つの悩みがあったようです。一つは昨日の悩み、もう一つは明日の心配です。天使は言いました。「昨日の悩みは昨日で終わりました。明日の心配はまだわかりません。だから袋は要らないでしょう。」

　皆さん、多くの場合私たちはみんな、たくさんの悩みや心配事があると思い過ごしているのです。復活されたキリストの前で、あなたの袋を開けてみてください、何もないはずです。「一度は死んだが、見よ、世々限りなく生きて、死と黄泉(よみ)の鍵を持っている」（１：１８）とイエスは言っています。


　イエスが復活されて弟子たちの前に現れても、まだ理解できなかった弟子がいたかもしれません。でも、イエスと出会ったトマスはみんなの前で自分の信仰を告白しました。「私の主よ、私の神よ」、と。

　今日、私たち一人ひとりにも呼びかけられています。「信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」聖トマスはイエスを見てはっきり宣言しました。「私の主よ、私の神よ」、と。

　さて、皆さんも言えますか。「私の主よ、私の神よ」。

イル神父