ウィークリー・メッセージ 201624

 

年間第10主日

 

 高松教区助祭 谷口 広海  

 

 日の福音の最後に「イエスについてのこの話は、ユダヤの全土と周りの地方一帯に広まった」と、あります。

このナインの若者を死からよみがえらせたイエスのしるし(奇跡)の前段でも、イエスによる百人隊長の死にかかっていた部下を癒すしるしが行われていました。

この話もきっと近隣の村や町で、センセーショナルな話として伝わっていたと思われます。勿論それ以前にもイエスの数々の癒しとしるしを目撃し、その優しさと愛といつくしみに立ち合っていた人々もたくさんいたことでしょう。そこにはやはり神のいつくしみの充満があったと確信します。


 私たちは今、「神のいつくしみの特別聖年」の恵みの中を歩んでいます。確かに、目に見える形での奇跡や神からの確かな癒しを確認できそうな出来事には、ほとんどといっていいほど遭遇しないかもしれません。

しかし、上記のようなイエスのしるしに対する信仰は持ち合わせている積りです。病や罪、自然災害と云った弱さの中にある私たちに対する神のあわれみといつくしみへの信頼が、結局は、そのいつくしみを理解しようともせず、認めようともしなかった結果「十字架に懸けよ!十字架に懸けよ!」という声に変質してしまった人々のようになることを防ぐ武器としてゆるしの秘跡を挙げることが出来ます。

罪のうちに死んでしまった私たちを、神の命に復活させる神の大いなるいつくしの実りとしての奇跡的体験となるゆるしの秘跡に近づき、神の慈しみへの喜びと感謝と賛美を終わりなく歌い続けていきたいものです。

助祭 谷口広海

 

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