ウィークリー・メッセージ 2018第17回
「主の降誕」
桜町教会担当司祭 松浦 信行
先日、桜町教会で待降節の黙想会が開かれました.そのときに、講師の吉村氏からこんなすすめが与えられました。新聞による黙想です。
新聞を見ると、暗い話や事件などが目に飛び込みます。しかし、あえてその新聞の中から暖かい話や希望が持てる記事を選ぶのだそうです。するとそんなこころが人の福音へのセンスを養い、神の業への感性を鋭くしていくそうです。
だいぶ前のことでしょうか、瀬戸内ジャムズガーデンの話を聞いたことがあります。事の起こりは2人でパリに旅行したときのことです。奥さんの方は、ブランドショップに入り浸り。それで会社員だったご主人の方は仕方なく近くのショップに入ったのだそうです.そこがジャムの専門店でした。ヨーロッパのジャムの伝統に圧倒され、将来こんな店を日本でも持ちたいと思い始めました。
時間が経って、この思いが膨らみかけたときに、その後主人が奥さんの実家、周防大島にかえったのだそうです。先日船がこの島と本土とをつなぐ橋にぶつかり断水したニュースが流れたあの島です。
島の風景を改めてみていると多くの柑橘類が栽培されていました。「これだ!これでジャムが作れるのでは?」 しかし島の人は否定的でした。「こんなどこにでもある柑橘でジャムを作っても売れないよ。」 でも諦めずにこのご主人、いい空気にいい柑橘、きっと良いジャムが出来るに違いないと一念発起、ジャム屋さんを始めました。それがあたって、全国に名を知らしめるジャム屋さんになっていきました。
その後、島のパン屋さんに、パンとジャムのコラボを提案しましたが、だめだめの一言です。何とか聞きいれてもらって売り出したところこれがまたあたって・・・このようにいつも見慣れた人は感じないのに、センスがある人が見るととっても良いものとして見えてくることがあるのです。
クリスマスの日中の聖書朗読では、神の言葉が描き出されています。言葉はある人にとって人生を大きく動かす大切な者となりますが、聞く人によっては雑音にしかなりません。
ひとり子をこの世に送られるという神の言葉が、人の良いものを見つける宝となっていくように、こんなメッセージが込められています。
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