ウィークリー・メッセージ 2020第2回
「ご公現の祝日にあたり」
三本松教会・霊性センター管理者 西川康廣助祭
「昨年10月に長崎潜伏キリシタン関連遺産「平戸島・生月島・外海地区(出津集落と大野集落)」を訪れた。平戸島ではザビエル教会、山野教会、春日集落、紐差教会、木ヶ津教会、宝亀教会を、そして生月島では山田教会と黒瀬の辻殉教地を巡礼した。
長崎潜伏キリシタンに共通するのが、山奥に誰も人が足を踏み入れないような所で、過酷かつ劣悪な環境の中で250年間の長きに亘って潜伏し、信仰を守り続けてきたということである。
「潜伏キリシタン」、信者たちは徳川幕府の禁教令と迫害時代に、一旦五島列島へ逃れたものの安住の地がなく、密かにその地に住み着き信仰を生き抜いた場所である。現地に立って、初めて彼らの信仰の重みを深く実感することができた。
生月島の南にある山田教会であるが、この地に住む信者は、潜伏キリシタンから復帰した者の子孫で、復帰に当たっては黒島の信者たちの導きによるものが大きかった。生月全島が隠れキリシタンの島と言われ、彼らは漁業による生計を維持していた。
キリシタンの島と言われるだけに、島内には平戸藩家老ガスパル西玄可の殉教地「黒瀬の辻」をはじめ数多くのキリシタン遺跡が散在する。西玄可の息子トマス西神父の列聖(1987年10月18日)により、聖人の島となった。
黒瀬の辻と呼ばれる丘の上には、大きな十字架「黒瀬の辻殉教碑」が建立されており、そこから海の前方に小さな中江ノ島(世界遺産)が見渡せる。この島では宣教師に協力した者が数多く殉教者した。中江ノ島は、特に隠れキリシタン信仰者の聖地である。
平戸島の西海岸には春日集落があり、潜伏キリシタンが多く存在し、表向きは神仏信仰を掲げつつ、秘密組織を作って秘かに信仰を守り抜いた。
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