ウィークリー・メッセージ 2021年7月11日

年間第15主日

古川健一神父


 今日の福音の中で、イエスさまは、弟子達を、それぞれの場所に派遣しています。その旅には、持ち物の制限がなされています。これは持って行ってはならない。これも持って行ってはならない。なぜ、このようにイエスさまが言われたのでしょうか。

 この旅では、物よりも人を大切にしなさいと言われているのではないかと感じます。何よりも、人との関わりの中で神さまの御心を分かち合い、伝え合うことの大切さを弟子達に感じてほしかったのではないかと思います。

 一緒に旅をする相手、現地で出会う様々な人、その一人ひとりは、神さまからのお恵みで、この旅全体を通して、その人々との関わりのなか感じられる神さまの恵みの体験をしてほしいという願いがあったからではないかと思うのです。派遣された二人が、生活に必要なすべての物を持って行って、現地で何不自由なく過ごすなら、誰にも頼ることなく、人との交わりも、必要最小限で過ごして帰ってくる事だってできるのです。パンもお金もないとなると、神さま、そして、そこであう人に頼らざるを得ないのです。さらに言うなら、派遣先につくまでは、二人で支え合わないと派遣先ですらたどり着かないかもしれないのです。

 さて、この時の弟子達は神さまの御心を伝えるのにふさわしい人物であったのでしょうか。確かに、イエスさまから、汚れた霊に対する権能を授けられましたが、私たちと同じように欠点だらけだったと思うのです。なぜなら、この後、イエスさまが御受難にあわれたとき、逃げてしまった弟子達だからです。しかし、それでもイエスさまは弟子達を遣わしています。

 弟子達だけではありません。私たちをも呼んでいます。それはイエスさまの御心を伝えるのには何か特別な事ができるとかが、基準ではないからです。

 第一朗読に出てくるアモスは自分のことを預言者ではなく、家畜をし、イチジク桑を栽培するものだと、言っています。預言者という立場でないけれど、神さまから呼ばれて御心を伝えに行く使命が与えられているのです。

 私たちも神さまから、神さまの御心を伝えていくように呼ばれています。神さまから遣わされている人たちと共に、神さまの御心を届けるその恵みが与えられるように祈り、出かけていきましょう。

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