ウィークリー・メッセージ 2021年8月15日

聖母の被昇天

申繁時神父


 8月15日は、「聖母の被昇天」の祭日です。(奇しくも今年は日曜日と重なりました。)
 マリアさまがその生涯を終えて霊魂も体も天に上げられたのです。

 マリアさまは、神の母であり、教会の姿そのものであり、また神さまへの取り次ぎを願って祈る存在でもあります。なので、マリアさまとのつながりは信徒にとって様々な想いがあることも理解するところです。
 そのマリアさまがその生涯を終えて天に上げられました。その日が8月15日の祭日です。

 今日の福音書は「ルカによる福音書1章39~56節」で、毎年共通の箇所が読まれます。
 その場面は、マリアさまが天使ガブリエルの受胎告知の後に、親類のエリザベトの元を訪ねます。
 そのとき、マリアさまの神さまへの想い「マリアの賛歌」が祈られています。
 それは、マリアさまによって全人類の救いが実現しはじめ、強者ではなく弱く貧しくされた者に対して神さまの恵みが現実することです。

 ところで、(すこし私個人のお話しです)
 わたしが神学生として東京の神学院で生活していた時、ある日の朝ミサの司式担当は当時の神学院長でした。
 朝が弱いわたしは、いつも朝から睡魔との戦いでした。
 すると、その日の院長の説教を聞いていて、急に目が覚めたようになりました。

 院長の説教の内容は、「司祭はお母さんにならなければならない。」という内容のことだったと感じました。
 その内容を聞いて目が覚めたわたしはこう思いました。
 院長も朝からお疲れ様のようで、「お父さんをお母さんと間違ってるわ」と思ったのです。
 それから神学院を卒業し叙階して、司祭生活も十数年になり「聖母マリア」についてお話しする機会があると、あの神学院での朝ミサの院長の説教を幾度となく思い出します。

 あのときの院長の説教は「司祭はお父さんではなくお母さんになりなさい」とはっきり言ってたことを実感するのです。
 また院長の説教のつづきには、キリスト者は「マリアさまの様に生きなさい」「マリア様になりなさい」ということを言っていたことも思い出します。
 それは、マリアさまが信仰者の模範であることを神学生として学んだ貴重な体験でした。(聖母被昇天の祭日にてまた思い出し、コメントさせていただきました。)

 あらためて、神さまに取り次いでくださる聖母マリアとこころを合わせて、神の国の実現のために祈ってまいりましょう。

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