ウィークリー・メッセージ 2023年1月22日
四人の漁師を弟子にする
森一幸神父
キリストは、これと思う人々を呼び寄せ、漁師であるペトロとアンデレたちに声を掛けました。自分のそばに置いて養成するため、遣して宣教させるため、キリスト自身の後を継がせるためにです。
このキリストの選びは、わたしたちの選びとはずいぶん違う気がします。わたしたちが声を掛けようとする基準は、自分の眼鏡に適った人物を対象とするのでしょう。人格的に素晴らしいとか、信頼に値するとか、仲間になってくれそうだとか。
でも、キリストが声を掛けたのはそういう基準ではありませんでした。最初に選んだペトロはご存知のように、キリストを仲間ではないと言い切って自身の身を護りました。ユダに至ってはキリストをお金で売りとばします。人格者でもない、信頼には程遠い人たちでした。しかし結果は、彼らをとおしてキリストの思いが現代にまで伝わり、教会が世界中に存在し続けています。
キリストは自分を主体としませんでした。人類を主体としてくださいました。それが人類の救いとなるからです。その目的のためだけに、これと思う人を選ばれました。それは、人類が幸いとなるご計画でした。
年齢を重ねますと、人はずっと同じ眼鏡で見続けてしまいます。眼鏡が汚れて曇っていても、ずっと同じ眼鏡、ずっと同じ見方をし続ける。基準を見直すために、一度眼鏡を変えて違う景色を見れたならと願っています。
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